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(2)次に、作業環境については、高齢船員は筋力、視力、反射神経等肉体的機能が低下するので、これをカバーし得るような構造設備を考えなければならない。また、記憶。判断力等の衰えもあるであろうから、ハイテク機器の導入に当たっても、これをカバーし得るようなシステムが必要である。
(3)船舶の構造・設備については安全なものである事はいうまでもない。

 

2.将来望まれる改善策
上記の精神をもとに、船舶諸施設に関する改善策を、船舶整備公団の提案(巻末参考資料)を参考に列挙すると以下のとおりである。
なお、具体的には船種、トン数、航行区域等の条件に応じてこれらの改善策を検討のうえ適切な対応をとることが望まれる。

 

(1)設備の安全化

 

a.出入港・荷役時の作業
出入港・荷役時には係船及び荷役・補機器のスタンバイ等と甲板部と機関部の作業が輻棲し、加えて、当直明けのまま連続して作業に当たらねばならぬことも常で、乗組員の作業としてはピークに達する。よって、サイドスラスターや高性能舵等を採用して離着岸性能の向上を図り、あるいは、荷役作業の自動化及び機関室機器の集中監視制御を行ってできるだけその作業の軽減化を図る必要がある。

 

b.プラントの簡素化
船舶におけるプラントの最近の傾向としては、省エネルギー等の観点からややもすると複雑になりがちで、複雑さ故にトラブルが発生するという事例は時々耳にするところである。その対策の基本となるのがプラントの簡素化である。
近年、機関システムについては、省力化等の観点から自動化の範囲は拡大され自動化システムも高度化されてきているが、高年齢船員を考慮した場合、

 

 

 

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